交通事故は街中を歩いていれば誰しも突然遭遇する可能性があります。万が一運悪く交通事故に遭遇してしまったら、交通事故を起こした加害者と示談をし、事故の状況やケガの具合に応じて慰謝料を受け取ることができますが、慰謝料の受け取りは銀行振り込みにしてもらえばいいのか、直接受け取ればいいのかわからないという人も中には居るでしょう。

ここでは慰謝料について受け取り方をはじめさまざまなことについて解説します。

交通事故の慰謝料は示談がまとまってからでなければ受け取れない

まず、交通事故の慰謝料を受け取る時期についてですが、交通事故に遭遇して物や自分がケガをした際に受け取るお金というのは正しく言えば慰謝料ではなく賠償金です。交通事故の慰謝料というのは交通事故に遭遇したことによる被害者の精神的苦痛に対して加害者が支払うお金で、交通事故の賠償金のうちの一部に過ぎません。

交通事故の場合は慰謝料の他にもケガをした時の治療費やケガをして会社に行けなくなったことによる休業損害や逸失利益といったお金も受け取ることができます。しかしながら、前提としてこういったお金を受け取ることができるのは加害者と被害者同士で行われる示談交渉が成立したときとなっています。

交通事故によって大きなケガを負った場合、治療に1年以上かかる場合があります。賠償金のうち、ケガをした際の治療費や後遺障害などのケガに関連したお金は治療が完全に終了してからでなければ請求できません。したがって、治療が終わってから賠償金を受け取るまでにはさらに数か月、交渉が長引けば半年以上も先になることがあります。

つまり原則として交通事故に遭遇してケガを負ってしまった場合の治療費はいったんは自分自身で全て支払わなければいけないという事になります。相手が任意保険に加入していれば治療費の建て替えをしてもらえる場合もありますが、これはあくまでもサービスの一環であり、任意保険には治療費の建て替えをすることは義務付けられてはいません。

そのため、はじめのうちは治療費の建て替えをしてくれていたとしても突然建て替えを終了してきたり、保険会社によっては治療費の建て替えそのものをしてもらえなかったりする場合があります。そして、大きなケガを負って会社に行けなくなれば当然会社から給料を受け取ることはできません。

ただし、正社員の場合は有給休暇があればその分は給料をまるまる受け取ることができますし、治療が長引いて有休を全て消化したとしても傷病手当が適用されれば給料の3分の2を受け取り続けることができます。

慰謝料の受け取りについて

慰謝料の受け取り方法に関しては示談交渉によって成立した慰謝料を誰が支払うのかによって異なります。通常、車を運転している人は自賠責保険の他に万が一の際に賠償金の大半を保証してくれる任意保険会社に加入していることがほとんどです。

任意保険に加入している場合は交通事故によって発生した慰謝料のうち、保険の範囲内となった場合は保険会社が全額支払ってくれます。保険会社が支払う事となった場合は銀行振り込みになるのが基本です。慰謝料を受け取る際に記入することになる示談書には振込先の金融機関を指定できる欄が設けられています。

この欄に慰謝料を振り込んで欲しい銀行名や口座を記入しておけば後日その口座に慰謝料が振り込まれます。ちなみに、受け取りの銀行口座は本人のものであることが普通です。お金を振り込む側からすれば自分が支払ったお金がきちんと交通事故に遭遇した本人に届いたかどうかの保証が欲しいため、本人以外の口座への振り込みは認めてもらいにくいでしょう。

もし交通事故に遭って口座を持っていない場合は慰謝料が振り込まれるまでに口座を作っておいたほうが無難です。ちなみに、保険の補償によって慰謝料が支払われる場合は一括払いとなるケースがほとんどです。

示談金を加害者本人が支払う場合

もし加害者側が任意保険に加入しておらず、自賠責保険にしか加入していない場合は少々面倒なことになるかもしれません。自賠責保険が保証するのは後遺障害が残ったり死亡事故となったりした場合でも3,000万円まで、ケガのみの事故だった場合は120万円までしか保証してもらえません。

補償内容としては極めて不十分だと言えます。さらに、物損に関しては自賠責保険では一切保証してもらえません。したがって、自賠責保険にしか加入していない運転手との交通事故となった場合は加害者本人に慰謝料を支払ってもらうことになります。

加害者本人から慰謝料が支払われる場合の賠償金が支払われるタイミングも保険会社が支払う場合と同様に、交通事故のすべての示談が成立してからになります。加害者本人が賠償金を支払う場合にはケガの治療費を加害者本人が立て替えてくれるというケースは考えにくいです。

したがって、治療費は加害者がいったん全て支払ってそのあとで加害者に対し得請求するという流れになるでしょう。

加害者本人からの支払いとなった場合に押さえておきたいこと

交通事故の賠償金の支払い方法については特に道路交通法では定められていません。任意保険の場合は銀行口座への振り込みとなっていましたが、加害者本人が直接賠償金を支払うとなったときには銀行口座への振込みになるとは限りません。

お金を支払う加害者側からすればお金を支払う相手の口座を聞く手間がありますし、教えてもらった口座にお金を振り込むという手間もかかります。また、お金を受け取る加害者側の立場からしても相手に自分の口座を教えることになります。

赤の他人に自分の口座番号を知られることが嫌だという人も居るのではないでしょうか。その場合は賠償金の受け取り用に新たに口座を作る必要がありますが、口座を作るには平日窓口が営業している時間に銀行に行かなければいけません。

サラリーマンが銀行の窓口が開いているときに口座を作るには有給を使う必要があるでしょう。したがって、加害者本人からお金を受け取る場合には話し合いによって現金で直接支払ってもらうという選択をすることもできます。

注意点

加害者本人から交通事故の賠償金を受け取る際には注意点が2つあります。1つは分割払いを主張されることもありうるという事です。分割払いを主張された場合、受け取る側は応じても断ってもどちらでも構いません、ただし、分割払いを主張するということはお金に余裕がないことが多いです。

一括払いにしてもらうのであれば法的な手段で強引に取り立てをする必要があるかもしれません。そして、もう1つ示談書はかならず公正証書にして保管しておきましょう。万が一お金を支払ってもらえなくなった際に動かぬ証拠にできます。